経済対策と警察署再編問題 [July 2009.07.02]
6月県議会 寺 島 一般質問 要 旨
1 長野県新経済対策について
Q1 今回の補正予算案はプロジェクトチームを立ち上げて若手の職員の発想を採り入れた事業を予算案に盛り込んだようだが、どこにその特色があるのか。
また、選択と集中という観点から、どこに重点を置いたのか?
【答弁:知 事】
6月補正予算案は「くらし・地域力向上プロジェクト」と銘打った、長野県の新たな経済対策を実行するための予算の第1弾と位置付けられるものであり、「環境」「産業・雇用」「健康・子育て」「安全・安心」を4本の柱としている。
中堅職員によるプロジェクトチームでの検討や全職員からアイディアを募集するなど柔軟な発想の下で対策を組み立てて、「県内経済の下支えと総需要の拡大」「雇用の維持・確保」といった即効性のある事業はもとより、中期総合計画で描いた長野県の将来を見据えて、「環境」や「健康」など、中・長期的観点から今後重点的に実施していく事業も盛り込んでいる。
このため、従来のような公共事業中心の経済対策と異なり、過去に例を見ない、広範な内容の補正予算となっている。
Q2 国の経済対策を受けて、長野県として事業化できる予算は、今後9月県議会に向けてどのくらい予定しているのか?また、国が議決した地域活性化・経済危機対策臨時交付金などを活用し、長野県の経済対策を実施するため、今後どのような手法で事業決定し、どのような分野に対処していかれるのか?
【答弁:知 事】
6月補正予算を編成するに当たっては、基金事業をはじめ 国の補正予算の具体的な内容がなかなか示されず苦慮したところであるが、限られた情報の中で、長野県新経済対策の目標とする事業規模700億円の7割程度の496億円を事業化することができた。
また、新経済対策に掲げる92項目のうち予算化が必要とされるのが74項目で、この7割に当たる52項目を予算措置している。
今後は、環境や医療・福祉対策等を推進するための基金の 積立及び活用事業、高等学校の教育設備の充実など国の補正予算に対応する事業をはじめ、県の新経済対策で今回予算 計上できなかった項目については、内容を十分吟味した上で、臨時交付金など国庫支出金を最大限に活用し、9月補正予算、さらには、ある程度の時間軸を視野に入れながら、この先においても事業化を進めていく。
Q3 国の補正予算には多くの基金が設置されているが、使い勝手の悪い制度が多く、「介護職員処遇改善等臨時特例基金事業」や「障害者自立支援対策臨時特例基金事業」 については、対象期間が3年間に限定されていることから、介護福祉職員給与の底上げにはならず、人材定着にはつながりにくいのではないか? 持続可能な処遇改善につなげるため、県としてどのような対応を行うのか? また、これらの制度について国に対して改善を求める必要があると考えるがいかがか?
【答弁:知事】
この介護職員のための処遇改善事業は、都道府県に基金を造成しまして福祉・介護職員の処遇改善に取り組む事業者に、平成23年度までの間、資金を交付することとしている。期間限定の交付金というのは、恒久的な賃金改善を行うという目的に、どれだけ繋がるかという議論があることは良く理解しております。
しかし、現実問題として介護職員等の賃金は他職種に比較して低い水準にあります。これが福祉職場の人材の確保定着のための施策の一連の流れの中で、大変難しい状況をつくっている。そういう意味では、この事業を県の新経済対策に位置付けまして、関連予算案をこの定例会に提案したところである。
質問のとおり、3年で切れてしまっては非常に問題がある。今後、事業者に対し、この事業の趣旨などについて十分に理解を求め、適正な運用をお願いして参るのは当然でありまして、国に対しては、社会保障における給付と負担のあり方に関する本質的な議論をやってもらいながら、適切な財政措置のもとで職員の処遇改善に繋がる安定的な制度が確立されるよう、注文して参りたいと考えている。
2 警察署再編計画について
長野県警察の組織再編整備計画(案)に示されている警察署の統合内容によると、丸子署は上田署に統合して、旧丸子署には大型交番と上小地域警察機動センターを設置する。南佐久署と望月署は佐久署に統合し、旧南佐久署には大型交番と佐久署自動車警ら班と佐久地域警察機動センターを設置する。旧望月署には大型交番を設置し、東信運転免許サブセンターの設置を検討するとなっている。
このような統合をすることによって、今ある警察署の警察力が維持できるのかどうかいささか疑問である。
そこで順次 県警本部長に伺いたい。
Q1 上田署171人と丸子署39人と望月署旧北御牧村分2人合わせて212人体制が統合上田署約200人となり、12人の減員となります。佐久署110人と南佐久署52人と望月署33人を合わせて、現状195人体制が統合された新佐久署は約180人となり、15人の減員となります。県警の説明では、それぞれの管理職等が必要なくなるとのことでした。
確かに組織的には管理職は減員されるでしょう。
現在の丸子署・南佐久署・望月署の署長以下管理職はその担当範囲の地域のことだけについて、主体的に判断をしていればよかったものが、統合されば、広い範囲の地域の一部分としての判断になり、現在の担当範囲の地域の判断として完結することは難しくなると考える。即ち旧所轄地域としての警察力は低下することになると思うがいかがか?
Q2 仮に警察署が統合された場合、上田警察署は警察官171人から約200人体制になるが丸子分庁舎は、警察官何人体制を考えているのか?
佐久署は警察官110人から約180人体制になるとのことだが、南佐久分庁舎・望月分庁舎は、警察官何人体制を考えているのか?
さらに、各分庁舎に設置される大型交番は、原則7人以上の警官で活動するとあるが、当然交番は24時間体制で活動することになるが、それぞれの分庁舎での交番1勤務あたりの警察官は、何人位を考えているのか?
また、仮に統合されれば、当然新上田署や新佐久署の体制も増員になると思うが、増設等新たな施設整備が必要にはならないのか?
Q3 県民要望の強い地域のパトロールは、自動車警ら班が行うと思うが、各分庁舎に自動車警ら班を置いたほうが時間的にも距離的にも効率が良いと考えるが、何故各分庁舎に置かないのか?
Q4 次に、事案が発生したとき、初動活動は身近にいる警察官が行うとしても、交通事故など専門事案処理や捜査は、本署から駆けつけなければならないと考えるが、上田署から美ヶ原の麓まで、佐久署から千曲川の源流である川上村の金峰山の麓や蓼科山や白樺湖まで駆けつけなければならず、今までより時間は遙かにかかり、まさしくそれは地域の警察力の低下であると思いうが、どのような対策をしてゆかれるのか?
Q5 次に、軽井沢署は、年間800万人もの観光客が訪れる特殊な事情があるため、現在の組織で継続していくとのことだが、望月署管内の白樺湖高原や蓼科高原には年間190万人に近い観光客が訪れている。特に冬期間は交通事故が多く人身事故も発生しているが、佐久署からは45キロも離れている。それらは特殊事情にはならないのか?
Q6 次に、道路使用許可申請や猟銃所持の更新手続き等住民サイドから見た利便性について、今まで近くの警察署に行けばよかったものが遠くの警察署に行かなければ手続きが出来なくなるのか? 今までの利便性が確保できるのか?
Q7 次に、ボランティアで防犯活動や交通安全活動を支えてくれている、地域の防犯協会や交通安全協会との連携はどのようにいてゆくのか?
Q8 次に、望月分庁舎には、東信運転免許サブセンターの設置を検討するとなっている。現在利用者は、長野市の篠ノ井の免許センターまで出向かなければならない。望月署は東信地域のほぼ中ほどにあり、東信地域の皆さんの利便性が向上することであり、地域の皆さんの意見を聞いていると要望も多く評価できますが、このサブセンターはどの程度の規模と内容を考えているのか?
Q9 次に6月12日で締め切った、県民からのパブリックコメントには、どのような要望がどの程度寄せられたのか? 具体的に県警本部長に伺いたい?
Q10 そして、知事に、今後出される長野県警察の組織再編整備計画において、財政措置を講じる必要がある場合もあると考えるが、知事の所見を伺いたい?
【答弁:県警本部長】
このたびの警察署の再編は、市町村の区域と警察署の管轄区域の不整合を解消して地域住民の協働を円滑に進めるとともに、パトロール等の街頭活動や夜間・休日における事件事故への対応能力を強化するためのものである。
再編により、新たな上田警察署及び咲く警察署は大規模警察署となり、現在の丸子、望月及び南佐久警察署の管内については、再編後は各種警察活動を行うのに現在の数倍の警察官を投入することが可能となり、管理職は少なくなるが、警察力は強化されることとなる。
また、丸子、望月及び南佐久の各警察署の交番・駐在所はそのままの配置とした上、各分庁舎には大型交番のほか自動車警ら班や警察本部執行隊を配置して相当数の警察官を置く、こうしたこともパトロールや初動警察活動の強化につながる。
以上により、丸子、望月及び南佐久の住民の方々には、従来よりも安全・安心を感じていただけると考えている。
次に、各分庁舎には大型交番と交番相談員を配置するほか、丸子、南佐久分庁舎には警察本部執行隊を配置し、また、望月分庁舎には東信地域における運転免許証の即日交付のためのサブセンターの配置を検討することとしている。
その結果、各分庁舎に配置される人員は、現在の各警察署における管理部門を除いた実働警察官数とほぼ同程度になると考えている。また、各分庁舎に配置する大型交番の勤務員数については、交番所長を含め7人以上を考えている。
仮に、7人の体制であれば、昼間は4ないし5人、夜間は2人の体制となる。
警察署の統合に伴う施設整備については、分庁舎も含め既存の警察署庁舎を
有効に活用し、当面上田署、佐久署の増設については考えていない。
次に、事件事故の発生時には、警察署及び交番・駐在所の勤務員並びにパトカーが無線指令を受け、連携して対応しているが、このたびの再編案では、警察署の大規模化、大型交番の設置、そして自動車警ら班の増強を行い現場執行力の強化を図ることとしている。この結果、より多くのパトカーが管内を24時間巡回し、パトロールが強化されること、駐在所の不在状態が解消されること、及び、事件事故が発生した際に捜査員の大量投入が可能となることから、昼夜を分かたず従来よりも現場への到着が早くなり、捜査活動を迅速に開始することができる。
次に、軽井沢警察署については、年間を通じて県内でも最も多い約790万人の観光客が管内を訪れているほか、夏季の人口や事件事故の発生件数など様々な実態を踏まえ、特殊事情があると判断したものであり、望月署管内については、事件事故の発生件数から見て再編案によることが警察力の強化につながると判断した。なお、白樺高原においては、夏季に臨時警備は派出所を設置するなどの対応をしているところであり、引き続きその対応に万全を期す。
次に、各分庁舎では、これまでと同様に運転免許証の更新等を行うほか、交通規制を伴わない簡易な道路使用許可及び制限外積載許可等の申請を取り扱っていく。また、銃砲所持の更新手続きについては、最近の厳しい銃器犯罪情勢を踏まえ警察署において行うが、銃砲の一斉検査や各種講習については各地域で行うよう配慮する。
次に、警察署の統合後も、防犯や交通安全関係ボランティア団体の方々とは、従来どうり緊密に連携し、犯罪や交通事故の抑止に取り組んでいく。
次に、運転免許サブセンターの設置については、東信地域の皆様の利便性を図るため、運転免許を保有している方々が免許証の即日交付を受けることができるような規模・内容とする必要があると考えているが、今後詳細を検討する。
次に、再編案に対するパブリックコメントを実施したところ、210件の意見をいただいた。
それによると、組織再編により自治体との活動を効率化することは理解できる。再編はパトロールの強化や事件事故対応の迅速化のために必要と考えるといった、再編案に理解を示す意見が寄せられている一方、警察署が大きくなると細かいサービスができなくなると不安を感じることなどから、警察署は存続してほしい。警察署がなくなることによりパトロール、事件事故対応などが手薄になることが心配である。など、更なる検討を要望する意見も寄せられている。また、再編にあたり、各分庁舎には治安の確保に必要な人員を配置してほしい。東信地域への運転免許サブセンターの設置を望む。各分庁舎では運転免許の更新等の許認可事務を続けてほしいなどの意見も寄せられている。
これらの意見・要望を踏まえてさらに検討を重ねより良い再編計画にしてゆく。
【答弁:知事】
警察の組織再編に対する財政措置についての私の決意ということでありますが、今回の警察組織の再編は、将来を見据え、限られた人員や体制を最大限に活用して、社会情勢や治安情勢に的確に対応した警察活動を遂行していくためにどうしてもやむを得ない必要な見直しであると認識しています。
こうした見直しについてはある程度の経費がかかることは当然でありますが、必要最小限の準備経費を基本に、見直しの趣旨に沿って必要性や内容を吟味し、組織再編整備が円滑に実施できるよう、適切にまた適時に対応していきたいと考えている。
【寺 島:2回目質問】
県警察では、「長野県警察組織のあり方を考える懇話会」から提出された意見書を基本的な指針として、今回の「長野県警察の組織再編整備計画(案)が公表され、各地域で説明会が開催され、パブリックコメントの募集もされてきた。
それらを受けて、これから警察の組織再編整備計画の成案作成に向けて検討されることと思うが、「現状ある地域の警察力は低下させない」という上に立って検討をしてゆくと理解していてよいのか?
また、「当該市町村や地域住民の意見を十分聞いて、理解を得た上で、警察の組織再編整備を進めてゆくという理解」でよいのか?
【答弁:県警本部長】
この度の再編により、各種警察活動に現在の数倍の警察官を動員することができること、パトロール活動及び初動警察活動が強化されること、関係団体とより円滑に連携することができることなどから、関係地域の警察力は現在より強化されると考えるし、そのとうり強化を図る。
今後とも、関係地域の皆様の意見・要望を紳士に受け止め、より多くの理解をいただきながら、これまで以上に安全・安心を実感していただけるような計画としてゆく。
【寺 島】
私は、行政改革に水を差すものではない。
しかし、地域の治安を守るという重要な課題なので、現状より地域の警察力
が低下すると思われるような警察署統合は認めるわけにはいかない。
現状の警察署の存続を強く望むものである。
私たちの地域は、蓼科山の水の恩恵を受けて「川西地域」として歴史を刻み発
展をしてきた。
「警消一体・川西安泰」が「合言葉」でありました。つまり望月警察署と川西
消防署と地域消防が一体となって連携をして、地域住民の生命財産を守ってく
れれば、川西地域は安泰であるということである。
従って、人口集中地域や、行政区分に配慮するあまり、中山間地域が警察
過疎地となってしまうことは容認するわけにはいかない。
警察署の存続も含め、地域の警察力が低下しないようにしていただくことを強く切望する。





